ウェーブキーとは?合鍵を複製できない?ウェーブキーの防犯性能が高い理由

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カテゴリー:鍵の種類・特徴

玄関の鍵は、防犯性能の高いものを選びたいと誰しもが思うことでしょう。玄関の鍵だけを見てもその種類は実に多様ですが、「破壊に対する耐性は強いが、ピッキングには弱い」またはその逆など、特徴が一長一短である場合も多いものです。

この記事では、とりわけ高いレベルの防犯性能を持つ代表的な2つの玄関用の鍵「ウェーブキー」と「ディンプルキー」について、構造や特徴の違いなどをご紹介します。

ウェーブキーとは

ウェーブキー

1990年代後半頃から、おもに高級車の鍵として使用され始めたのがウェーブキーです。それまでは住宅用の古い鍵と同様、車の鍵もギザギザの形の鍵が主流でした。

ギザギザの鍵は、住宅においても車においてもピッキングに弱いものでした。ウェーブキーはこのような実情を鑑みて、車の防犯性能を高める目的で開発された鍵と言えます。

ウェーブキーにはその名の通り、鍵の表面・裏面に波を打つような流線形の溝が彫られています。このため、彫刻キーなどという別名でも呼ばれています。

とかく直線的な造形が生まれやすい工業分野において、曲線を取り入れた工業製品は非常に珍しく、特異な存在と言えるでしょう。

さらに、鍵穴に差し込んだ際にスルっと滑らかに差し込めることも、ウェーブキーの大きな特徴です。

ウェーブキーは、1990年代後半の導入開始以来、日本の自動車メーカーで相次いで採用されるようになりました。次第に、高級車だけでなくコンパクトカーや軽自動車にもウェーブキーが採用されるようになっていきます。

ついには、日本のすべての自動車メーカーがほぼすべての車種に対してウェーブキーを採用するまでになりました。そしてその高い防犯性能は、日本国内だけでなく自動車を輸出した先の世界の国々でさえも認めるところとなったのです。

現在ではフランスやドイツ、アメリカなどの自動車メーカーもウェーブキーを採用するようになっています。

このようにウェーブキーの防犯性能は世界規模で広く認められ、2000年代に入ってからはそれまで適用されていなかった金庫の鍵や玄関の鍵など、車よりもさらに高い防犯レベルが要求される領域の鍵としても本格的に採用されることになったのです。

また、ウェーブキーに限らず防犯性能の高い鍵すべてに当てはまることですが、ウェーブキーは合い鍵を作ることが非常に困難です。

加工のための専用機械だけでなく、高度な技術を持ち合わせている鍵屋さんでなければ、きちんと使える精度の高いウェーブキーの合い鍵を作ることはできないでしょう。

ウェーブキーの構造とは

鍵のイメージ

ウェーブキーの基本構造は、「サイドバー方式」と呼ばれるものです。サイドバー方式とは、シリンダー内部にサイドバーと呼ばれるピンを配置することで、ピッキング器具などの異物を差し込んでも開かず、鍵を指したときにのみサイドバーが回って開錠できるという仕組みです。

つまり、物理的にピッキングが不可能な鍵ということになります。ピッキングが不可能ということは当然防犯性の高さも意味しますが、うっかり鍵を無くしてしまった場合などに応急処置として鍵屋さんにピッキングで開けてもらうことが難しく、間違っても鍵をなくすことができない、という意味にもなります。

自宅玄関の鍵をウェーブキーへ交換する場合は、子供やお年寄りが鍵を紛失してしまわないよう工夫することも必要でしょう。

住宅の鍵として評価の高いウェーブキー紹介

家研販売株式会社「ベルウェーブ」

住宅用の鍵としてウェーブキーをいち早く導入したのが、東大阪市に本社を構える、家研販売株式会社(KAKEN)です。

家研販売株式会社が手掛けるウェーブキー「ベルウェーブ」は、住宅に取り付ける鍵の選択肢にウェーブキーという新常識を植えこんだパイオニアと言えるでしょう。ベルウェーブのシリンダーはもちろん、ピッキングや破壊に極めて強いサイドバー構造です。

タンブラー(ピン)にテンション(バネ圧)がかからない構造で、従来型シリンダーと比較してピッキングがより困難になっています。それに加えてキーの形状をウェーブ型にすることで、万全の耐ピッキング性能・耐破壊性能を備えた防犯性能の非常に高い鍵になっています。

ピンシリンダーとキーには、耐久性と美しさを兼ね備えた「洋白」を使用。シリンダーは真鍮で出来ており、耐久性の高さだけでなく、使うほどに深みを増す質感を楽しむことができるでしょう。

ユーシンショーワ「WXシリンダー」

ベルウェーブキーと並んで住宅用ウェーブキーとして名前を知られているのが、ユーシンショーワが開発した「WXシリンダー」です。滑らかで軽いキー挿入に加え、理論上の鍵違い数はなんと2,800億通り。

さらに鍵穴部分にシャッターがついており、粉塵や雨水がシリンダー内に入り込むことを防いだり、凍結を防止する点でも効果的です。もちろんサイドバー方式を採用しており、耐ピッキング性能・耐破壊性能はともに10分以上の高水準です。

ウェーブキーとディンブルキーとの違いを比較

鍵のイメージ

住宅の玄関の鍵のうち、特に防犯性能の高い鍵として知られているのが「ディンプルキー」という鍵です。 ディンプルキーのディンプルとは、英語で「くぼみ」を意味する単語で、鍵の表面に丸い小さなくぼみがたくさん付いていることからこの名称が付けられました。

ディンプルキーは、大分類では「ピンシリンダータイプ」に属しており、ベースとなる構造はピンシリンダーと同じです。

異なるのは、シリンダー内部のピンの本数と、「アンチピッキングピン」という、ピッキングを不可能にするピンを配置していることです。ピンシリンダーがピッキングに弱いのに対し、ディンプルキーのピッキングはピンシリンダーの3倍~10倍も困難になっています。

ウェーブキーも、ピッキングには極めて強い性能を持っています。ディンプルキーにも言えることですが、従来の鍵は鍵穴に差し込むことでシリンダー内部のピンを「シャーライン」という一定のラインまで動かすことで開錠すると言う仕組みのものでした。

しかしウェーブキーは、基本的な原理が従来のものとは大きく異なります。シリンダー内部で、鍵の形状と全く同様のウェーブを再現する必要があるのです。構造上、そのようなことはできません。

ではここで、ウェーブキーとディンプルキーの違いをおさらいしてみましょう。 複製の難しさという面では、ウェーブキーよりもディンプルキーの方が難しいです。

粉塵や水気など、異物に対する強さの面では、ディンプルキーよりもウェーブキーの方が強いと言えるでしょう。

ある程度の年数使用した鍵は経年劣化により、抜き差しの不具合が生じることがあります。ディンプルキーの場合は特に経年劣化は感じない人が多いようですが、ウェーブキーは若干の突っかかりなど、経年変化による多少の不具合を起こしやすいとされています。

耐ピッキング性能・耐破壊性能については、ウェーブキーもディンプルキーも大きな違いはないようです。

ウェーブキーへ鍵を交換した場合の費用

弊社でウェーブキーに鍵を交換した場合の費用ですが、合計35,200円(税込)~となります。

  • 交換工賃 11,000円
  • 部品代 24,200円(SHOWA WXキー/WNキー)

扱うメーカーや、お問い合わせいただくタイミングによって価格は変わることがありますので、お客様が取り付けるタイミングで正確なお見積りのご依頼をしていただけますと幸いです。

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まとめ

住宅

ウェーブキーの基本的な構造は「サイドバー方式」で、ピッキングの原理が適用できない、事実上ピッキングが不可能な鍵です。 防犯性能の高さによって頻繁に比較検討されるディンプルキーと比較すると、ウェーブキー・ディンプルキー双方にメリット・デメリットがあることが分かります。

ただし、どちらも高い安全性を備えた鍵であることに変わりはないでしょう。

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