代表的な鍵の種類・名称とその仕組み

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カテゴリー:鍵の種類・特徴

現在、日本の住宅の9割近くで採用されているのが、シリンダー錠です。
シリンダーとは、いわゆる「鍵穴」を指す言葉で、円筒状の精密な機器の中に鍵を差し込み、内部を回転させて操作します。

このシリンダー錠にも、実はさまざまな種類が存在します。
ここでは、代表的な鍵の種類や名称、そしてその仕組みについて解説していきます。

目にする機会も多い「ディスクシリンダー錠」

目にする機会も多い「ディスクシリンダー錠」

ディスクシリンダー錠は、日本の住宅で数多く採用されてきた、一般的な鍵の種類です。
鍵穴が縦に「く」の字型になっているという特徴があります。

内部にはディスクタンブラーと呼ばれる機器が組み込まれており、内筒から少しずつ飛び出すように設計されています。
この飛び出す部分が邪魔をして、外筒の内部がまわらないようになっていて、ロックされるという仕組みです。

開錠するためには正しい鍵が必要で、この正しい鍵を挿入することで、ディスクタンブラーをきっちりと内筒の中に収めることができるようになっています。
外筒の方へと飛び出す部分がなくなるので、自由に回転させて開錠できます。

非常に多くの住宅で採用されたディスクシリンダー錠ですが、ピッキングしやすく狙われやすいという特徴もあります。
専用の工具と知識を使えば、ものの数十秒で開錠されてしまうケースもあり、防犯性能は高いとは言えません。

今住んでいる住宅にディスクシリンダー錠が設置されている場合には、より高性能な錠前へと変更することも検討してみてください。

工夫されているものの、防犯性能が低めの「ピンシリンダー錠」

ピンシリンダー錠は、ピンタンブラーという機器を使った錠前の種類です。
ディスクシリンダー錠と同じく、日本の住宅で多く採用されてきました。

ピンタンブラーは、内部にいくつかのピンが仕込まれています。
上ピンと下ピンと呼ばれるものが、バネの力で内筒に噛ませてあることで、開錠できない仕組みになっています。

ギザギザとした凹凸のある鍵を差し込むと、それぞれのピンが正しい位置に来ます。
上ピンと下ピンの間に設置されているシアラインが揃うことで、内筒を回転させることができます。

一列に並んでいるピンを、鍵の凹凸で調整する仕様のため、鍵を差し込む方向は、常に一定でなければいけません。
特に夜は、暗い環境の中、鍵の上下を確かめた上で差し込まなければならず、使いにくさを感じる方も多い鍵です。

また、古いタイプのピンシリンダーは一方向にしかピンが設定されていないため、泥棒にとって狙いやすい鍵としても知られています。
こちらが採用されている場合も、早めに交換した方が安心だと言えます。

新しい住宅で採用数が多い「ディンプルシリンダー錠」

新しい住宅で採用数が多い「ディンプルシリンダー錠」

ピンシリンダー錠の防犯性能の弱さを補強するために登場したのが、ディンプルシリンダー錠です。
比較的新しい住宅では、このディンプルシリンダー錠が採用されるケースが多いようです。
現在では、シリンダー錠全体の約3割が、このディンプルシリンダー錠だと言われています。
今後さらに、シェアは増えていくことでしょう。

ピンシリンダーの弱点は、ピンが一方向にしか設置されていないため、不正に開錠しやすいという点でした。
ディンプルシリンダー錠では、ピンを複数方向に設置して、不正開錠がしにくいように作られています。
また、ピンそのものの数も増やしてあります。

ディンプルシリンダー錠で使われる鍵には、これまでにはない特徴があります。
それは、鍵の表面にいくつものくぼみが設置されているということです。
これにより、「上下」だけではなく「横」や「斜め」方向に設置されたピンにも対応できるようになっています。

これまでの「ディスクシリンダー錠」や「ピンシリンダー錠」と比較すると防犯性能が高いというメリットがありますが、デメリットも存在しています。
まずは「従来の鍵と比較して、コストが高い」という点です。
また、万が一鍵を失くしてしまったときの合い鍵製作も、簡単ではありません。
専用のマシンを持つ業者に、高い費用を支払って依頼することになります。

また、「従来品と比較して防犯性能が高い」と言われていますが、「ピンを全て揃えれば開錠可能」という仕組みには変わりがありません。
近年では、ディンプルシリンダー専用のピッキンググッズも登場していると言われています。
油断し過ぎるのは禁物だと言えるでしょう。

ピッキングに強い「ロータリーディスクシリンダー錠」

防犯性能の高さで、最近人気が高まっているのがロータリーディスクシリンダー錠です。
ディスクシリンダー錠の弱点を補強するため、新製品として開発されました。

内部にはロータリーディスクタンブラーと呼ばれる部品が仕込まれています。
従来のディスクシリンダー錠では、ディスクタンブラーそのものが内筒から外筒の方へと飛び出し、回転を阻害する仕組みを採用していました。

しかしロータリーディスクタンブラーは違います。
回転を阻害しているのは、ロッキングバーという全く別の部品です。
正しい鍵を差し込むことでタンブラーの切り欠きの位置を調整し、ロッキングバーを内筒に収められるようになります。

両者の働きを切り離し、全く別の部品にしたことで、ロータリーディスクシリンダーの内部構造は非常に複雑なものになっています。
だからこそ、ピッキング犯が手や音の感触から開錠できるかどうかを判断しづらく、狙われにくい仕様と言えます。

まとめ

代表的な鍵の種類・名称とその仕組みのまとめ

鍵の世界の技術は、日進月歩です。
あらゆる犯罪から大切な家族や財産を守るため、次々に新しい技術が登場してきています。
防犯性能を高めるためには、「今の鍵を大切にする」よりも「思い切って新しい錠前へと変更する」方が、効果が高いケースも少なくありません。

また万が一、鍵が開けられないトラブルに見舞われたときには、「自宅の鍵がどのような種類なのか」という情報が重要な意味を持ちます。
この機会に、ぜひ自宅の錠前の種類を確認してみてはいかがでしょうか。

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