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カテゴリー:鍵の種類・特徴

引き戸の鍵にはどんな種類がある?引き戸の鍵交換について

目次

引き戸は、戸を左右にスライドさせる形で開け閉めをする形式の建具です。日本建築の障子やふすま戸などをイメージすれば、わかりやすいでしょう。

また一枚引き戸、二枚引き戸など戸の数によって種類が分かれます。大広間の仕切りのように、三枚以上のケースもありますが、一枚もしくは二枚が一般的です。

ここでも、一枚引き戸と二枚引き戸の場合について、それぞれに適した鍵種類をご紹介します。

一枚引き戸の施錠について

一枚戸も二枚戸も、基本的にはその戸が移動しないようにするのが施錠になるのですが、一枚戸の場合は引き戸を柱に固定する方法がよく用いられます。柱は言うまでもなく、建物全体の中での動くことのない構造物ですので、可動式の引き戸をそこに固定するのは、引き戸自体の可動性をなくすことによって施錠とするわけです。

この形式で多いのが「鎌錠(かまじょう)」と呼ばれる引っ掛け式の錠前です。鍵種類にはたくさんの分類がありますが、一枚引き戸に対しては鎌の形状をした金具を引っ掛けることでの固定がほとんどなので、鎌錠の一択となります。これは、引き戸の内部に錠前本体の仕掛けが設けられており、その仕掛けを廻すことで鎌状の金具が飛び出し、柱側の受け穴に引っかかるというものです。この仕掛けを回転させるのにカギ(キー)が用いられます。

最近では金具を動かすのに、カギだけではなく、暗証番号による認証を求める電子ロック形式のものもありますが、鎌状金具の出し入れによって施錠・解錠が行われるのが「鎌錠」と呼ばれる錠前の基本的な構造です。

なお、設置場所によって異なるので一概には言えないのですが、外側からはカギを使って施錠・解錠を行い、内側からは簡単なサムターン(つまみ)を廻すだけで施錠・解錠ができるタイプのものが広く普及しています。

この鍵錠について、もう少し詳しく説明しておきます。基本的な構造は、上述した通り、戸の内部に埋め込まれた可動式の金具と、その金具を固定する柱側の受け穴からなります。受け穴は、柱にビス等で穴あき金具をしっかりと固定しておき、鎌錠本体より金具が飛び出した時にそれと一体化する構造になっています。そして金具の出し入れを行うのが、ピンタンブラー形式(側面がギザギザになっているもの)やディンプル形式(表面に複数の窪みが設けられているもの)のカギ、あるいは暗証番号等の認証が必要になる電子ロック方式です。

このように説明してくると、いくぶん高度な構造物のようでもありますが、基本的には非常に単純な構造となっています。鎌錠本体は、引っ掛け用の金具の大きさと厚さがあれば十分なので、戸枠の内側を一部分くりぬいて収めることで設置ができます。

この形式のメリットとして挙げられるのが、錠前構造の本体が、施錠時には戸または柱の内側に隠れてしまう点です。錠前の本体、すなわち鎌状の金具はもともと戸の内部に設置されていますし、それが飛び出して柱側の受け穴に収まっている時には、戸自体が受け穴に覆い被さってしまうからです。戸の全体が破壊されるケースでもない限り、カギを使わない解錠は非常に困難です。

デメリットを挙げるのなら、構造が戸および柱と一体化されているため、交換が難しくなる点です。鎌錠を収納するための空間を戸の内側に、飛び出してくる金具を適切に受け止める穴を柱側も設けねばならない、しかも穴の大きさや位置は厳密に調整せねばならないなどの事情があるので、手軽なDIYではなかなか対応しづらい部分があります。この点は、もちろん安全性の裏返しなのですが、スペアキーも含めてカギを紛失してしまうなどで、万が一、交換が必要になった時には、戸全体を付け替えねばならないこともあります。

二枚引き戸の施錠について

引き戸

二枚引き戸は「引き違い戸」とも言いますが、二列になった溝またはレールの上を戸が移動することで開閉が行われます。溝の上を移動する点は一枚引き戸も同じですが、二枚引き戸が一枚引き戸と異なるのは、その二枚がぴったりと重なり合うことで通行可能の空間が作られるということです(一枚引き戸は、戸が壁と重なり合うことで通行スペースが作られます)。完全に重なり合った状態が開放であり、重なり合う部分が最小になっている状態が閉鎖ですので、後者の状態で戸それぞれを固定すれば、施錠されたことになるわけです。

この形式で広く用いられるのが「ねじ絞り錠」と呼ばれるものです。これは日本建築でも古くから用いられていたもので、簡単に言えば、一枚目の右端と二枚目の左端(重なり方の状態によって逆になることもあります)を固定する方式です。具体的には、一枚目に設置されているねじ絞り式の金具を、二枚目に設置されているねじ穴に差し込んで固定するというものです。差し込みに使われる金具には、一本型で未使用時には戸の外側にぶら下がるものと、中折れ型で常時戸の内側に収納されるものがあります。これらは、部品の外観や収納の都合などによって使い分けられます。

メリットとデメリットを言うのであれば、二枚の戸の枠に小さな穴を開けて、小型の金具をビス留めするだけで設置ができるので、手軽かつ廉価という点がメリットです。一方、金具ごと外されてしまうというデメリットもあります。後者については、他人が触れることのできる場所では、ねじ絞り錠は錠前としての役目を果たさないことも意味します。したがって設置場所は屋内であり、引き戸を内側から固定する場合に限定されます。

このようなデメリットがあるので、外から施錠することを想定するのであれば、ねじ絞り錠以外の鍵種類が求められます。一般的な引き戸玄関でも用いられているのは、シリンダータイプのものになります。ただし「シリンダータイプ」という呼び名は鍵の構造上、筒状の金具を用いているもの全般を指し示しますので、二枚引き戸専用のもの以外も含むことがあります。つまり「シリンダータイプ」と言うだけでは、必要な鍵種類の限定にはならないということです。ここで言っているのは、要するに、二枚引き戸に対して外からの施錠できるものには、シリンダータイプ錠もあるという意味です。

名称の問題でいうのなら、ホームセンター等での扱い品目名には、他にも「二枚引き戸(引き違い戸)用万能錠」というものもあります。これも、シリンダータイプと言うのと同じで、施錠形式ではなく、用途別の呼び名です。施錠形式でいえば、シリンダータイプにしても万能錠にしても、二枚の戸の重なる部分が最小になっている状態で相互に固定するという機能の錠前です。

このシリンダータイプや万能型は、メーカーによって名前が適用される範囲も異なるため、整理もやや面倒になるのですが、「プッシュ栓錠」という場合は、二枚引き戸用の施錠方式を指し示します。これは一枚目の戸に設置されている筒型金具をカギを用いて二枚目の戸に押しこむものです。筒型金具を用いているため、この形式を「シリンダータイプ」に含めることもありますが、二枚引き戸を施錠する形式の一つです。

ここまで挙げた中では、ねじ絞り錠を除いた、シリンダータイプまたはプッシュ栓錠、或いは万能型は、どれも施錠・解錠にはカギ(電子キーを含む)を用いること、さらには、設置に際してのビス留め箇所を内側に隠すことなどにおいて、第三者の接触も可能な外側に設置する条件は満たしています。

なお、鍵種類をいう時に「内締まり(うちじまり)錠」という言葉が用いられることがありますが、これはねじ絞り錠に代表されるような、内側からの戸締まりに特化された錠前の名称です。

その他の引き戸鍵について

その他の引き戸

さて、ここまで引き戸の鍵ということでいくつかのタイプを見てきましたが、引き戸は、冒頭にも触れたように障子などの室内建具も含めて日本建築では古くから用いられてきました。そのため、現在、広く用いられている近代的な錠前以外にも、伝統的なものが数多くあります。そのいくつかを紹介しておきましょう。

まず引き戸の下に位置する溝に穴を開けておき、戸枠を貫いて落とし木を落とし込むものがあります。これはねじ絞り錠と同じように、用途は内側からの施錠に限定されますが、木材部品を巧妙に組み合わせて、施錠時のみ下部に突起が出るように工夫されたものです(使わない時にはパーツは上部で固定されています)。一枚引き戸の鍵錠が戸と一体化しているのと同じように、この落とし木タイプの施錠方式は、戸の一部分として組み立てられます。これのバリエーションになりますが、上部の溝に対して施錠時には突起が持ち上がるもの、或いは、上部・下部の併用型などもあります。

いずれにしても古民家の木戸内側に設置されていることが多く、日本の伝統技術の一つです。寄せ木細工が木材を組み合わせた工芸品として注目されることがありますが、戸に設置される落とし木も、落とし込む際の構造やそれを固定する構造などに巧妙な細工がなされていることがあるので、工芸品的な見方をするのも面白いかも知れません。

また、伝統的な施錠をいうのなら、閂棒(かんぬきぼう)やつっかい棒を挙げておくのもいいでしょう。閂棒は観音開きをする扉で用いられるものなので、ここでの文脈には関係ありませんが、つっかい棒の方は、最もシンプルな引き戸用の施錠方式です。引き戸の施錠は、要は引き戸自体の動きを止めることになるわけですから、溝(レール)に沿って棒を宛がい、引き戸を動かなくするだけで用を果しているわけです。

一枚引き戸の場合は、こうした宛がいだけで十分ですが、二枚戸の場合はあと一工夫が必要になります。手前の引き戸を宛がい方式で動かないようにしておき、さらに、つっかい棒と奥の引き戸を何らかの方法で固定せねばなりません。例えば、一枚板の戸でも戸を補強する縦木があるのが普通なのですが、そうしたパーツにつっかい棒を結わえ付けるなどすれば、奥の引き戸の動きも止められ、二枚引き戸の施錠もできることになります。

南京錠についても少しだけ触れておきます。施錠のためのパーツが別途必要になりますが、カギを用い、外付けで施錠・解錠するという意味では鍵種類の一つです。これ引き戸で用いるとすれば、一枚戸のところで説明したように、戸側と柱等の家屋側とを結合させるパーツを設置し、それらが外れないように南京錠を掛ける形になります。

ところで、和風の伝統技術ではありませんが、ショーケース等で二枚引き戸を下部で固定する金属パーツがあります。カタログなどで示される名称でいえば、ショーケース用鍵とかスライドロックとかの名前になっていますが、これも引き戸の重なっている部分を決められた状態で固定するためのものなので、二枚引き戸用の施錠技術が応用されたものと言えるでしょう。

まとめ

まとめ

引き戸の施錠とは、その戸をどのような方式で固定するかによって変わってきます。おもに一枚引き戸に使われる鍵錠であったり、二枚引き戸を固定するプッシュ栓錠であったりと、様々なものがあります。これらの中で大きさ等が規格化されているものであれば錠前の部分だけの交換も可能です。

しかし、構造上、戸と一体化していることが多いので、立て付けのスムーズさ等も考えると専門の業者を利用するのが適当でしょう。

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