ディンプルキーとは?ディンプルキーの合い鍵作成の注意点や仕組みと強み

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カテゴリー:鍵の種類・特徴

鍵にはさまざまな種類があることをご存知でしょうか。平成8年(1996年)から平成14年にかけて空き巣が増加し続けたことをきっかけに、一般家庭でも防犯性能の高い鍵の普及が進みました。

今回はその中でもピッキングに強い「ディンプルキー」について、仕組みとメリット、注意点を説明します。空き巣対策を考えている方は参考にしてみてください。

ディンプルキーはピンタンブラー錠の仲間

Q&A

シリンダー錠の基本的な仕組み

鍵を差し込む部分が円筒形の錠をシリンダー錠といいます。シリンダー内部は外筒と内筒に分かれていて、タンブラーと呼ばれる複数の障害物が外筒と内筒を貫いています。シリンダー錠は内筒が回転することで解錠する仕組みになっていますが、タンブラーが回転を邪魔しているのでそのままでは開きません。

キーのギザギザの位置とタンブラーの高さが合致するように、すべてのタンブラーを適切な高さにずらせば内筒を回転させることができます。これがシリンダー錠の基本的な仕組みです。

ピンタンブラー錠の仕組み

タンブラーがピン状になっているタイプをピンタンブラー錠といいます。ピンタンブラー錠のタンブラーの先には2つの長さが異なるピンが連なっていて、外筒側のピンをドライバーピン、内筒側のピンをタンブラーピンと呼びます。

ドライバーピンにはスプリングが付いていて外筒と繋がっていますが、タンブラーピンは固定されていません。そのため、2つのピンの境目と内筒と外筒の境目が一致すると、タンブラーピンがドライバーピンから離れて内筒が回転します。つまり、鍵を回すにはタンブラーピンとドライバーピンの境目が内筒と外筒の境目に一致する必要があります。

この一致させる動作は、キーのギザギザによってなされます。長いタンブラーピンの谷は深く、短いタンブラーピンの谷は浅くなっているからです。ドライバーピンとタンブラーピン両方がセットになって、ピンタンブラー錠の防犯性能は発揮されます。そして、このピンタンブラー錠をより複雑にしたものがディンプルキーです。

ディンプルキーはピッキングに強い!

ディンプルキーの基本構造

ディンプルキーの基本構造はピンタンブラー錠と同じです。違うのはタンブラーの複雑さ。ディンプルキーのシリンダーには横や斜めにもタンブラーがあり、本数も増えています。キーにもその違いが見て取れます。ピンタンブラー錠のタンブラーは一列のものがほとんどなので、キーにも一方向にしかギザギザがありません。

一方、ディンプルキーにはくぼみがいくつも付いており、見た目の区別はつきやすいでしょう。このくぼみでタンブラーの高さを調節します。ディンプルキーもピンシリンダー錠に分類されるのですが、一般的にピンシリンダー錠はタンブラーが一列に並んでいるものを指し、ディンプルキーとは区別されます。

ピンタンブラー錠の弱点

ピンタンブラー錠の弱点は、ピッキングですべてのタンブラーの高さを合わせれば解錠できてしまうことです。そのため、ピンの本数は防犯性能に直結します。基本構造は変わらないもののピンが多いため、ディンプルキーは従来のピンタンブラー錠よりピッキングに強いのです。ピンの本数だけでなく、くぼみの大きさや深さ、形がさまざまなことも高い防犯性能の要因となっています。

また、キーの両面のくぼみが上下反転しているタイプなら、鍵の向きを確認する必要もないという利点もあります。ただし、使用されることは少ないものの、ディンプルキー専用のピッキングツールもあるので油断は禁物です。

また、摩耗したり破損したりしてきちんとかみ合わなくなると、差し込みにくい・回りにくい・抜けにくいといった不具合を起こすことがあります。ディンプルキーは特に大切に扱いましょう。

合い鍵を作るときの注意点

ディンプルキー

精密な技術によって高い防犯性能を実現しているため、ディンプルキーはくぼみがわずかにずれるだけで開けられなくなってしまいます。そのため、合い鍵を作るにはくぼみを正確に掘るためのマシンが必要です。

ディンプルキーは普及が進んでいるのでマシンを持っている合鍵屋も多いですが、普及が進んでいない地域だと持っていないこともあります。また、マシンがあれば簡単に作れるわけではなく、高い技術も求められます。

ディンプルキーの合い鍵作りには高い技術が必要

複雑なディンプルキーほど合い鍵を作るにも高い技術が必要です。ディンプルキーの構造は年々進化を遂げています。専用のマシンがあったとしても、ものによっては技術不足で作れないと断られることもあります。ただ、精度の低い合い鍵は使いにくい、あるいはまったく使えないこともあるので、無理やり頼み込むことはせずにきちんと実績のある合鍵屋を探しましょう。

技術面での問題をクリアしても、特許によって合い鍵の作製を認められていないものもあります。その場合の合い鍵は正規品を取り寄せることになるため、取り寄せるには数週間かかり、料金も合い鍵を作るより高くなる場合がほとんどです。

また、キーを持つ本人が連絡しないと取り寄せられないなど、本人確認やセキュリティカードが必要といったものもあります。これらは他人が簡単に複製できないようにするための対策です。ディンプルキーの合い鍵を作製する場合、技術的・特許的な問題があることを忘れてはなりません。ただ、それはディンプルキーが高い防犯性能を持つことの裏返しでもあります。

まとめ

防犯

ディンプルキーは複雑な構造でピッキングがしにくく、高い防犯性能を誇ります。しかし、防犯性能を高めることと鍵の複製のしやすさは相反しています。

徹底的に防犯したい方には高度な技術で作られたものが適していますが、複数合い鍵を作る予定なら複製のしやすい安価なもののほうが経済的です。自分の状況に合わせてディンプルキーを選びましょう。

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