鍵穴にエアダスター。鍵のメンテナンスに市販のスプレーを使ってはいけない理由

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カテゴリー:鍵が回らない

毎日鍵を使っていると、ある日突然「いつもと違う!」と感じることがあります。これまではスムーズに差し込めていた鍵が、なんとなく引っかかったり、回転するときに異常に重く感じたり…。

「固すぎて回らない!」なんてトラブルを防ぐためには、ここできちんとメンテナンスしておくことが重要です。

こんなとき、つい「家にたまたまあったから、このスプレーでいいや!」なんて、気軽に決めるのは危険です。鍵のメンテナンスに適さないスプレーやその理由、使うべきスプレーの詳細についてお伝えします。

鍵が回らない理由は?

回らない鍵のイメージ

鍵や鍵穴のメンテナンスに「使ってはいけないスプレーがある」ということは、一般にはあまり知られていないかもしれません。

その仕組みを理解するためにも、まずは「鍵が回らない」という状況で、鍵の内部で起きている異常の原因について勉強しましょう。

鍵穴の中は意外と汚れる!

鍵が回らない理由の中で、もっとも多いのがこちらです。鍵穴の中に埃やゴミなど、小さな異物がたまることで、鍵の動きに支障をきたしてしまいます。

「鍵穴の中にゴミなんて…」と思うかもしれませんが、普段の生活の中で、「鍵」に付着したゴミを気にする方は少ないでしょう。

埃やゴミが付着したままの鍵を抜き差しすることで、鍵穴内部にも徐々に異物が蓄積してしまうのです。鍵は非常に精密な機械ですから、ほんの小さなゴミが動きを妨げてしまうことも…。長く使えば使うほど、ゴミや汚れによるトラブルの可能性は高くなっていきます。

内部で故障している場合も…

鍵が回らない原因には、「内部故障」が関係している可能性もあります。鍵穴と鍵は、それぞれセットで作られています。鍵穴に正しい鍵を差し込むことで、障害物が取り除かれ、内部の筒をくるりと回転できる仕組みになっています。

ところが、この内部の機構が一部でも破損していると、「正しい鍵を差し込んでいるにも関わらず、障害物が取り除かれない」という状況になってしまいます。結果として、鍵が回らなくなってしまいます。

鍵そのものの問題かも?

反対に、毎日の生活の中で摩耗し、鍵そのものが破損している可能性もあります。素人目にはわからないような小さな破損でも、鍵は動かなくなってしまいます。

鍵が回らない仕組みは、鍵内部で破損が起きている場合と同じです。鍵が破損していることで障害物をどけられなくなり、筒が回転しなくなってしまいます。

回らない鍵に市販のスプレーを使うのはアリ?

普段使っている鍵が固い、回らない!となれば、焦って「なんとかしたい!」と思う方も多いことでしょう。もちろん弊社のような鍵屋に依頼をすれば、スマートに問題は解決します。

しかしコストがかかるのがネックです。自分でできることは…と考えた結果、市販のスプレーに行き着く方も多いことでしょう。

市販の潤滑油スプレーはNGです

スプレー

鍵が固い、そして回らないのだから、潤滑油スプレーで滑りを良くすれば良いだろう!と考えたくなる気持ちはわかりますが、これは危険です。さらに状況を悪化させてしまう可能性があります。

潤滑油スプレーは、確かに滑りを良くしてくれます。一時的には、鍵が回るようになるかもしれません。

しかし鍵が回らなくなるそもそもの原因は、破損や汚れです。破損が起きている場合、スプレーでなんとかできる問題ではありませんが、汚れやゴミが原因であった場合、市販のスプレーはそれを固めて除去できない状態にしてしまいます。

つまり、トラブルの原因を取り除けないばかりか、さらに深刻なトラブルにつなげてしまう可能性が高いということ。状況が改善したとしても、それはあくまで一時的なものですから、ぜったいに避けるようにしてください。

油などで掃除するのはアリ?

市販のスプレーでダメならば…と、食用油を使って鍵穴の掃除をしようとする方もいますが、残念ながらこちらも間違った方法です。油で掃除をすると鍵が壊れてしまう原因は以下の2つです。

ゴミを内部で固めてしまう

市販の潤滑油スプレーと同様に、食用油の場合も、錠前の内部でゴミを固めてしまいます。さらに鍵の内部に張り付き、外からは除去ができない状態になってしまいます。こうなると、専門業者でも清掃は不可能。全てを交換するしかい方法がなくなってしまいます。

錆びの原因になる

鍵は非常に精密な機械で、ささいな変化が動きを妨げる原因になってしまいます。油を使って掃除をすると、内部に油が入り込み、中の金属を錆びつかせる原因になってしまいます。

錆びついた金属がどうなるかは、鍵以外の身近な金属製品を見ていればすぐにわかるはず。安易な気持ちで使うのは辞めましょう。

食用油以外も危険です。

世の中には、食用以外にもさまざまな油が存在しています。精密機械のメンテナンス用の油や、より身近なところではミシンに使う油など…。

「同じ細かい機械に使うものだから」と考える方もいるかもしれません。しかしこれらも、鍵故障の原因になってしまいますから、注意してください。

使うのであれば専用のスプレーを使おう

では、自分にできるメンテナンス方法はないのか…とガッカリする必要はありません。

シリンダー内部や鍵の破損ではなく、内部に埃やゴミが溜まっているだけであれば、鍵専用のスプレーを使うことで、状況を改善できるケースがあります。

鍵メンテナンス専用スプレーを準備

エアダスターを使ってみる

回らない鍵に悩んだら、まずは一度鍵を抜きましょう。その上で鍵穴に向けて、パソコンなどに使うエアダスターを噴射します。その後、滑りを良くするために鍵メンテナンス専用スプレーをシュッとしてください。

鍵メンテナンス専用スプレーは、近所のホームセンターの他、インターネットでも購入可能。また鍵のメーカーが独自の「純正スプレー」を用意している場合もあります。

もしこうした製品があるなら、事前に購入しておくと安心です。

万が一鍵が抜けなくなったときには?

鍵を差し込んでみて、回らないことに気付いたものの、抜くこともできない!こんな場面もあるでしょう。

鍵が刺さったままの状態で、どのようにメンテナンスをすれば良いのかと悩んでしまいます。

こんなときには、鍵が刺さったままの状態で、上下左右に少しずつ動かしながらエアダスターを使うのがオススメです。内部のゴミが原因で抜けなくなっている場合、ゴミが移動し、抜けるようになるかもしれません。

とはいえ無理は禁物で、中で折れてしまうとより高額な修理費用がかかってしまいます。普通に抜けなくなった鍵を抜くだけであれば、それほど費用はかかりません。素直に鍵屋に依頼をするのがオススメです。

専用スプレーを使っても状況が改善しない場合の対処法

電話する女性

専用スプレーを使っても、残念ながら鍵の状態が良くならないケースも存在します。この場合は、鍵、もしくはシリンダー内部に、破損などのトラブルが起きている可能性も高いです。

早めに鍵のプロに依頼をして、内部の状況をチェックしてもらいましょう。開けにくい原因を突き止めた上で、必要があれば新しい鍵に交換しておくことで、その後のトラブルを防げます。

まとめ

開いた鍵

鍵のメンテナンスは、適切なアイテムを使い、正しく行うことが重要です。 急なトラブルに焦って、間違ったケアをしてしまうと、それが致命傷となってしまう可能性も高いです。

「鍵が開けにくい」というトラブルを避け、鍵を長く快適に使い続けるためには、定期的にメンテナンスを施すことが必須です。エアダスターや鍵専用のメンテナンススプレーは、普段のメンテナンスにも使えるもの。事前に準備しておくと、いざというときにも使えて便利です。

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